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街に木枯らしが吹く季節が来た。
[命って何だろう?死んだら僕はどうなるんだろう?]
[大丈夫、安心しなさい。死は無じゃないのよ。命は生まれ変わりを繰り返すの。生まれては死に、生まれては死んで、長い長い旅をするのよ。貴方はまた生まれ変わるの。恐れないで良いのよ]
[ありがとう。リサさん。何だか気持ちが落ち着いてきました。]
[あと、僕にはどのくらいの時間が残されているのだろう?そう考えると眠れなくなります。風の音が嫌いです。]
[大丈夫、大丈夫よ。私がいるわ。怖がらないで。]
[もう、メールも打てなくなるかも知れません。]
[しっかりして。週末には行くわ。楽しみに待っていて。]
[死ぬのが怖いです。僕はどうなるんだろう?]
やがて、街にクリスマスの季節がやってきた。航平からのメールは絶えた。
週末、リサは「光の家」に行く予定をした。
その前日の午前3時過ぎに、突然、リサの携帯が鳴った。
航平が危篤状態に陥った知らせだった。リサはすぐに着替えて、「光の家」に向かった。心配した夫が運転してくれた。
「光の家」に着くと、航平の部屋に急いだ。
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