また、瞳を閉じてみる

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 この頃のエピソードは、余り良いことが思い出せない。 遠足やクラスマッチとか毎月誕生日会とかしてたと思うけど!?  今でも心に残っているのは、最悪な出来事ばかり。 3年生の時だったかなぁ!? 図工の時間で振り子の虎を習ったときだった。新聞をちぎって 風船に張っていき胴体を作る。 皆大体同じ具合に仕上がっていて、乾くまで後ろの棚に 並べていた。ところが、なんとも運悪く私の風船だけが 壊されてしまった。休み時間に教室の中で女の子がふざけて 投げたボールが当たって落ちた。勿論、ぺしゃんこに潰れて しまっている。私も目の当たりにしていたから愕然とした。 確かにワザトでは無かったと思うが、教室でボールは投げては イケない。ましてや後ろに置いてあるのが分かっていて、 当たれば壊れるぐらい分かったはずだ。腹が立つのは当然だし 友達も「あぁあ。」「最低。可哀想。」とそれを見て口々に 言い始める。そうなると案の定、その子が泣き出した。当然、 先生がやってきて事情を聞く。壊されて泣きたいのは、 こっちの方なのに…。で担任は、私に向かってこう言う 「ワザト違うんやしもう一度、作ったらええがな。」やって。 一件落着のように終わらせる。 「はぁ!?」って、感じだしやってられない。 謝りもせず、やり直せなんて理不尽きわまりない。 が、いつもこんな感じ。まず、女子と男子の差に始まり極端な えこひいきは当たり前。とりあえず、泣いたもん勝ち。 友達の手前、泣くのを我慢する男の子達は何時も不利な 立場になる。この時も、泣けない自分と悔しくてやり場のない 憤りがこみ上げる。どうしようもない!! 最悪だっ!!! 結局その後も、風船は作り直さず反抗的態度で完成など出来る はずもない。勿論評価は「もう少し。」だった。苦手な図工も 頑張ってやっていたのに一つのきっかけで純粋さも真面目さも 足蹴にされる。無力さと無能さが、常に付きまとう。 普通、先生が作って渡しても良いようもんだけどあの人には 無理な相談か…。 本当に、瞳を閉じても何も変わらない現実が嫌になる。 担任に恵まれない時期は、自分らしさなど生まれない。 それどころか、得意分野も苦手にさせられる。 あの頃、やっぱり戻りたくない時期、No.1だ…。
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