また、瞳を閉じてみる

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 当時流行っていた「プロレスごっこ。」。 今では、虐めの認定で問題視されてるが…。ミルマスカラス、 ドスカラス、タイガーマスク(佐山サトル)が大活躍してた。 私は欠かさず、毎週見ていた。猪木も藤波も長州もハルク ホーガンも前田も…。ある日、何人かでマスカラス達の必殺技 などを同級生でかけあった。廊下で胸元に腕をクロスして軽く 飛びかかっていき「クロスチョーップ。」て叫んでた。 その時は、結構楽しかったしやられた時もまんざらではなく 「やられたぁ。」等とノっていた。 ところが、学校から帰宅してしばらくたってから電話で呼び 出された。別のクラスの店をしている友人宅に親子4組位 だったかな?! で、先生から説教が始まる。勿論、プロレスの ことだ。なんとクロスチョップをされた後、目が見えなく なったんだって!?瞳を閉じずに…!? 元々古傷で目元に傷跡が あるのは知ってはいたが、胸元に当たって目が見えなくなる!? っていうか、その後普通に授業も受けてたし何より歩いて 帰ってたじゃないか!? 「出たな、狂言!!」たまにする奴では あったが、大それた事をしてくれる。 少しオネー系の浮いたタイプではあったが、全てにおいて 大袈裟だし構われたいタイプなのだ。 「ジャロ。」に電話したいくらいだ。だけどこの時は、 被害者と加害者だから当然謝罪。全員で、頭を下げる。 「誰がした時か分からないし、誰かも分からない。」って フザケるなよ。「見えなくなってないだろ?」心で叫ぶも 平謝り。「どうする?許してあげる!?」担任達は猫なで声で。 「許したくないけど。これからしないんだったら…。」と、 勿体ぶる。取り敢えず事なきを得た。が、その後母親に相当 殴られた。言い訳など通用しない。殴る痛さも殴られる痛さも 熟知しているつもりだ。「あれは、大袈裟だ。」と言っても 問答無用、「そんな事しなければ呼ばれもしないし怒られも しない。」と、また殴られる。相当怒られたあげく、それ以来 「プロレス禁止令。」発令!!! 観るのも、するのも駄目。 友達との週明けの話題には、それ以来ついていけない。 プロレスの話題になると横でただ聞いているだけだった。 盛り上がれないのは当然だし、つまらない悔しい日々だった。 プロレス大百科まで持って、勉強してたのに…。 当然、奴とはそれ以来かかわってないしそれ以外記憶にない。 そういえば、クラスも違ってたなぁ。 嫌な思い出の一つだ。
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