また、瞳を閉じてみる

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 良く似た時期の出来事で、忘れられない事があった。 母親の友人宅、友人の彼氏らしき人物と外出中だった。 周りの人達に何時も可愛がられ気にかけてもらってた。 いろんな所へ連れて行ってくれた。 喫茶店にも良く連れて行ってもらってた。 で事件なんだけど、公衆電話(赤電話)から誰かに かけてたのだ。彼氏が! 内容までは、全然覚えてないけれど浮気相手だったことは 間違いない!!後ろめたかったのだろう。あんまり判ってない 私に、ケーキとジュースで口止め。 内緒の話って事で、「男の約束。喋ったら殺す。」って 契りを交わした。 何か嬉しいのと怖いのと両方あったと思う。 大人との初めての内緒事だ。 未だ小学生にもなってない私が、重要極秘任務を 授かってる!? みたいな感じ。 帰宅後彼氏が別の用事で出て行った。たぶん、例の件!?  残された私は、ソワソワしてる。 そんなのは、当然母親にバレバレ。 彼氏は外出中でここにはいない。だから不安だったのか!? とうとう、二人からの尋問が始まった。 あまり覚えていないが、「男の約束をした」ことを 自ら自慢したかったのもあって嬉しそうに「内緒だ」と 言って、それ自体内緒になってないし 内容がばれる事の計算もできてない。思う壷って感じだった。 子供なりに、「殺されるもん?!男の約束やもん?!」って 必至に抵抗したはず。 だけど、「絶対ばらさない。」と言う条件付きで あえなく撃沈。 即刻白旗。 母親は怖いんだ。 その後、結構たってから何も知らずに彼氏が帰った。 案の定今度は彼氏に尋問が始まる。 「あんた、誰に電話しよったん?!」 「何処行っとったん!?」って。 「さっき、全て私が教えて上げたでしょ!!」 「言わないって言ってたじゃない!?」 「エエッ!!」聞いてないよ! 約束と全然違うし…?! 奥の布団の陰で、「殺される!!」って本気で思って 潜ってた。死ぬのは恐かった。 「おまえ~ッ!!!」向こうから 聞こえるゥ。 「ほら、来たーッ!! 」もう終わりだぁ! 「お前ちゃうやろ!」って、すかさず友人が一喝。 何とか今も生きてるから大丈夫だったんだけど…。 あの時、瞳を閉じてあれやこれやと思ってたね。 何でぇ男の約束なんかとか、これが夢だったらとか…。 大人は汚いとか。 子供って、怖いなァ。悪気がないからタチが悪い。
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