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主人公(歩けど歩けどいっこうに人の気配がしない) 歩き始めてどの位の時間がたっただろう。いくら歩いても木と草ばかり。人はおろかそもそも動物自体を見かけない。 主人公(本当にここはどこなんだ?なんで動物すらいないんだ?) 変わりばえのしない風景に聞こえるものと言ったら風に揺れる木々達の声。東京にいた頃は疎ましく感じていた騒々しい喧騒すら懐かしく感じる。 主人公(いい加減五感が麻痺しそうだ。) ずっとそんな事を考えていると ???「おい!!そこのお前!!」 突然後ろから声がする。ずっと一人だった主人公はその声が希望に満ちた神の声にすら聞こえた。 反射的に声の方向を見るとそこには4、5人の男女がとても恐ろしそうなものを持ってこちらに向かってきていた。 主人公(え?なんで?どういうことだ?) 突然のことに一瞬戸惑ったものの瞬時に自分のおかれた状況に気づく。 主人公(まずい!これは非常にまずい!なんで人に遭遇できたかと思ったらこんな危ない集団なんだよ!) 都会育ちの主人公からしたらこんな状況すぐに逃げ出したいのが普通だ。しかし主人公は足を動かすことができなかった。 主人公(よく考えろ。危ない集団だがこれはチャンスだ。ここでなんとしても情報を手に入れないと。) 主人公が内心を悟られないように表情を殺して集団に話かける。 主人公「お前たち、何かようか?」 集団のリーダー「黙れ。お前と何か話すつもりはない。40秒待ってやるお前の着ているその変な服と持っている物をすべてだせ。」 主人公(変な服ってただの学校指定のズボンにシャツ、カーディガンなのに。) 主人公「ほぉー。山賊さん御一行ですか。もしかしてそんな可愛いナイフで脅してるつもり?」 山賊達は顔を見合わせて山賊のリーダーが口を開く。 山賊のリーダー「もう一度言う。俺はお前と話すつもりはない。服を脱いで持ち物をすべて出せ。さもないと‥‥‥」 山賊のリーダーはそういいながら自分の持っているナイフをわざとらしく見せるように動かした。そして山賊達も武器を構える。 主人公「できるものならやってみろよ。」 主人公はあたかも自分に何かあるように強気で振る舞った。
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