-あれから-

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相変わらず上がり下がり無い あたし達のやり取り。 "きっとサヨナラなんだろう" そう胸に覚悟して 愛しい広樹を待つ。 「ねーさん」 「ん、お疲れ」 「で、何を喧嘩したのかね?」 「喧嘩でも何でも無いよ! ただ、限界なだけ。」 薄ら笑いで平常心装う二人のクセも 今日はあたしが出来てない。 きっと広樹は奏と別れた哀しみと 捉えるのだろう。 「…俺もアイツと 喧嘩の延長で今、微妙になってる」 どくん 「…あ、そうなの?」 急に沈む声と 急に早くなる鼓動 「それ、利用して終わろうとしてる」 予想外な答え と、期待しちゃダメって 諦める自分。 それでもサキさんは 広樹を諦めない。 そしたら広樹は やっぱり…サキさんと居る。 だから… 「大丈夫でしょ(笑) 君の"嫁"、ちゃんと戻って来るから」 報われなければ 伝えるコトも出来ない あたしの"好き" 一寸の期待もしなければ 裏切られたなんて濁らない思い出 考えや受け捉え方さえ変えれば 綺麗になる人の記憶 解っているから あたしは笑う どんな結末でも その時笑えたなら幸せと呼びたい 「奏くんと別れたなら 本気で俺もって考えてるから」 気紛れでも、ヤケでも もう理由が何でも、いい。 誰かの願いが届く時 きっとその誰かを想う相手は 笑うか泣くか。なのだから。 結果が同じなら "嘘"も"本当"も同じだから…。 「君が本当にそれでいいなら 待ってみようかなっ(笑)」 理性もクソも無い 幼稚なあたしで居ても 広樹は笑ってくれるかな? もう、心にウソは つけないよ…
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