-あれから-

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奏と一緒になる 広樹と物理的に離れる そんな自分への約束を 守れなかった上で生じた あたしの切な願い 広樹と居たい…。 どれだけ求め合っても サキさんの隣へ帰ってた どれだけ寂しくても サキさんの顔色伺ってメールしてた どれだけ時間が少なくても ソレを壊さない為 二人は、離れていってた。 自分への約束を破ったあたしは 理性なんて持てない 狂う程に感じた 嫉妬、孤独、罪悪感、独占欲。 もう"浮気相手"な"好き"は 貫きたく無い。 いつだってそう 真剣に広樹が好きだから。 サキさんの隣に帰ってく広樹に またねは言いたくないよ… 奏の隣に行こうとするあたしに 笑ってサヨナラなんて 言わせないよ。 最終的に一人になったっていい。 簡単で単純で愚かで 薄情な女だと批難されても 構わない。 握られた手に願いを込める "広樹、一緒に居よ? …ずっと二人で…" 少しだけ残された理性は ソレを言葉にはしなかった 痛む胸を 狂おしい程に募らす想いを ただ、ただ 握る強さに変えるしか 今のあたしには出来なかった。
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