トラブルメーカー×キリングジャンキー

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その日もいつもと変わらなかった。 平凡な青春の一ページとすら言えない位に日常と化した一日で、ただそれを機械的に過ごすことだけを考えていた。 だけど人間、そんな簡単な生き物じゃない。 時に例外(イレギュラー)は発するし、事件(ハプニング)も起きれば失敗(ミス)だってする。 そして今日、俺は失敗(ミス)した。 「げっ、課題学校に忘れてきちまった」 言いながら俺はゴソゴソと自分のバッグを漁ってみるものの、目的の物はない。 別段、急ぐ様なものでもないのだが俺としてはこう言う課題(めんどう)はさっさと終わらせておきたい。 人生に必要な物は余裕とゆとりだ。 だが、ないものは出来ない。 チラリと時計を見れば時針は6を、秒針は50をそれぞれが指している。 学校が閉まるのは確か8時だった気がするが、前述した通りで別に急ぐ様なものでもないし近いとは言え往復10分は寒さが骨に凍みるこの季節では、かなり面倒くさい。 まあ、いいか別に。 明日にでも適当な空き時間にすればいいと思い直した。 「とりあえず何か食うか」 俺は元気になる腹の虫に食事を与えるべく、冷蔵庫を開く。 一人暮らしである俺は当然の様に、その食事の大半を冷凍食品やインスタント、弁当などで補っている。 一々、自分のものだけ作るのは面倒だし余程の物好きでなければ世の学生なんて、こんなものだと思う。 便利な時代になったものだと歳より臭いことを言ってみつつ冷蔵庫の中を覗くと、そこには何もなかった。 「あれ?」 買い置きしてた分はもう切らしただろうか。 なら今日は適当にカップ麺でいいやとインスタント系をおいている所に行くと、やはり何もない。 こう言うものは切らさない様に常々、気をつけていたつもりだったが、どうやら切らしてしまったらしい。 「しゃあないか」 ため息をついて時計を見れば、まだ7時にもなっていない。 調度いいし課題も取って来よう。 食事は学食か帰りにコンビニにでもよればいいし、こうなっては仕方ない。 窓から外を見れば多少天気は悪いものの風もふいてない様だし、さっさと行きますか。 俺は気合いを入れながらコートを手に取り外に出た。
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