3

4/33
前へ
/1147ページ
次へ
「俺、今日帰り遅いから外で食べてくる。戸締まり宜しくね」 「はい……」 「体調、大丈夫なら荷物少し持って来たら良いよ」 「はい……」 「あと、これ携帯番号とアドレス。登録しといてね」 「はい」 「じゃあ、行って来ま~す!」 小田切さんは、極上の笑顔を向けていた。 「行ってらっしゃい」 思わずつられて、笑顔で答えてしまう。  再度ニッコリ笑って、小田切さんは出勤して行った。 「…………。とりあえず、会社に休暇の連絡を……」 携帯、携帯――バックは~と、ベッドの近くに置かれている。 ふと、渡されたメモを見た。 そこに書かれた番号とアドレスは、確実に小田切さんのものである。  「……やっぱり……夢じゃなかったか……」 ポスンッ!  ――――ベッドに私は、力なく倒れ込んだ。
/1147ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3502人が本棚に入れています
本棚に追加