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「そこに、傷の舐め合いなんて感傷的なシチュエーションが加わったら、絶対のその気になるわよ。それだって、つり橋現象みたいなもんだからね!」
「わぁ~~~!! それは分かります! 黎子様の講義よく分かりました」
「あら、まだ言いたりないのに」
そうだろう――黎子の瞳はキラキラ輝いていた。
本当にこうゆう話が大好きだよね。
「これ以上は今日はいたたまれないから、ご勘弁で~」
テーブルに両手を着いて本気で頭下げると――――
「……流されてもいいんじゃない」
頭上から、ポツリと言葉が落ちてきた。
「え?」
「流されもいいんじゃないの。まだ、どんな人か分からないけど、嘉之の事で泣き腫らしてるよかいいわ」
「あっ……。ごめん。ありがとう……」
「ちゃんと自分でケツ拭きなさいよ」
「は、はいっ! 気を付けます!」
思わず背筋を伸ばした私に、ふふふっと、肘を着いて長い指を顔に当てて黎子は、妖艶に微笑んだ。
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