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中を見渡すと六畳くらいの部屋に、ホワイトを色調とした家具やベッドが用意されていた。
「家具……用意されてるんですね」
「そう、デザインとか気に入らなかったら取り替えてね。香織んインテリアの会社だし、社割とか利くんじゃない」
「利くことは、利きますよ」
「マジ! 今度何か頼んでいい?」
こんな風に小田切さんは、冗談ぽく話してくるので和んできてしまうが、ちょっと気にかかる。
「小田切さん……広いですよね。このマンション」
「ああ、独りには広いよね。香織ん来たから、ちょうど良かったよ」
「同棲じゃなかったら、色んな人連れ込めますよ」
ずっとやられっぱなしだったから、ちょっと意地悪く言ってみたものの――――。
「はははは~! それもありだけど体力もたないよ~」
「やっぱり、そっちに持っていきますか!」
「香織ん、挑発しないでね」
小田切さんは動揺することもなく、それどころか身体を傾け、整った顔を私の顔の位置まで近づけてきた。
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