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「お客様、セクハラは困ります」
霞が、小さく口を付く。
「姉さん。冗句に付き合う必要はありません。天草様。私達はメイドという立場であり、規則により生きていますが、人間です。なにをしても良いわけではありません。肝に命じてくださいませ」
「ちょっと、彩莉……」
霞が、顔色を変えた。彩莉が、口を閉じてから扉を開く。
「申し訳ございません。長々と足止めをしてしまいました。それではお部屋に案内致します」
彩莉が、片霧と天草を連れて二階に上がる。
二人が通されたのは、個室であった。
部屋の中は、綺麗に掃除がしてある。外の外装とは違い、雰囲気の良い部屋であった。小窓もある。通電もしているようコンセントがある。片霧は、携帯を充電して、隣部屋の天草の元を訪れた。
時刻は、夕方の五時。なにをするにも暇な時間であった。
片霧は、部屋の扉を叩く。
「おう。開いてるよ」
天草の声が聞こえてから片霧は、部屋に入った。
片霧が与えられた部屋と同じ間取りがある。ベッドにはボストンバックが投げ出されていた。
天草は、椅子に腰掛けてパソコンを開いている。
「話がまったく頭に入らないんだが、依頼のことをもう少し詳しく教えてくれないか?」
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