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「ん。好きに座ってくれ」
天草は、パソコンを立ち上げた。
片霧は、ベッドに座り、ボストンバックのチャックを開く。
ボストンバックは、パソコンが入っていたと思われるスペースが空いている。
そのほか、ボストンバックには、本とファイルが入っていた。
天草が、振り返る。
「霧雨夫妻には船上パーテイでお世話になったんだ。今回はこの手紙のことで来たわけだ」
天草の手には、封を切られた茶封筒が握られている。天草の後ろでは、小型パソコンが唸りを上げていた。
片霧は、受け取った茶封筒の中から手紙を抜き出した。茶封筒の両端は、なぜかセロハンテープで留められている。抜き出した手紙は、コピー用紙の切れ端であった。
手紙には、車に乗る前に天草が言っていたことが書いてある。
「『誰かに殺される。助けてくれ』……か。これだけじゃなんとも言えないな?」
「その後に夫妻からパーテイの案内状が届いた」
天草が差し出した別の紙には、友人を誘っておこしくださいと添え書きされている。
「救助要請後に、招待状?」
片霧は、疑問を持った。
「そう、なんとも不思議な話だろう」
そこに気づいたかと天草は、調子良くわらった。
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