一章 霧雨館

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「普通、同時に届くよな。こういうのは」 片霧は、紙を見詰める。 「そうそう。手間が掛かる。ということは、家主が救助要請の手紙を送ったことを知らない可能性が高い」 「なるほど。しかし、救助要請の手紙には名前も無いのに何故家主だと分かるんだ?」 「それは、この茶封筒の内側にある」 「内側?」 片霧は、茶封筒を見直した。 茶封筒は、一度分解されて裏表が逆になっている。
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