第一章

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「それを適用するなら、ブルー君は僕と話す理由があるということなのかい?」 「そうだな。理由があると言えば、ある……だが」  零士は緩く構えていた銃剣を構え直し、青年を鋭い眼で見据えた。  その場にいる全ての者の視線が己に集まっていることを感じ取りながらも、零士は躊躇なく言い放つ。 「貴様には話しても意味がなさそうだな。行動で示すことにしよう」  零士が猛然と地を蹴った次の瞬間、二人は武器を交えていた。 「……どういうつもりだい?」  力のせめぎ合いに震えるトンファーと銃剣は、堪えきれずカタカタと互いを打ち付け小さく鳴く。 「勿論、君も話を聞いていたはずだよね。僕を攻撃したら、君達は無事じゃ済まないよ」  現在極致正義側の戦力は勇太郎、零士、葉月の三人のみ。それに対し、絶対正義側の戦力は黄色い少女、薄桃色の髪をした青年、緑髪の青年、そして明人と勇次郎の五人。  戦闘力が未知数な三人に加え、知っているからこそ脅威を覚える明人に、葉月と互角以上に切り結んで見せた勇次郎。戦闘となれば、その結果は火を見るよりも明らかである。 「先の会話の内容は把握している」  動揺するわけでもなく淡々と答える零士に、青年は猜疑の視線を投げ掛ける。 「もしかして、君は自殺志願者なのかい? 命を大事にとは言うつもりはないけど、常的に考えてそういうのはあまりよくないんじゃないのかな?」 「自殺志願などしていない。勝手に決め付けるな」 「それなら……」  続く疑問を視線に載せ、交わした武器越しに青年は零士を探る。  零士は不機嫌を滲ませ、青年の視線を受け止めた。 「気に食わないだけだ」
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