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「緑川っ! イエローさん留学してるってほんと!?」
出会い頭に詰め寄られ、葉月はたじろぎつつも決められた回答を口にした。
「……本当だけど」
「うわぁーほんとかぁー! 留学とかイエローさんカッコいいなぁー俺もいつか……」
「篠田の頭じゃ無理だろ」
夢見るような表情を浮かべた克彦を、自席に腰掛けたまま意地の悪い表情で笑う亮平。
「なんだと!? 亮たん亮たーん! 今、ちょおーっと聞き捨てならない台詞を聞いた気がするぞぉー?」
「気がしただけだろ? 俺、なにも言ってねーし。あと、亮たんって呼ぶな」
「え、そうなの? んじゃあ俺の聞き間違いだったみたい……急にごめんね!」
「……お前って、ほんとバカというかなんというか……篠田はそのままでいろよ」
興奮した様子の克彦と、その克彦に何やら温かな眼差しを向ける亮平を横目に、葉月は自席へと向かう。しかし、
「あ、緑川!」
慌てた声に引き留められ、踏み出しかけたその足を引き戻した。
「……篠田。なんだよ」
「イエローさんっていつ帰ってくるのー?」
「…………」
克彦の無邪気な問いかけに、葉月は思わず黙り込んでしまった。
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