第二章

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「続き、話すね。そうして赤嶺家と繋がったことで安心したお父さんは、時々権力への執着は見せるけど、元のお父さんに近付いた……でも」  そこで、あいは璃理へと視線を向けた。  星空のように煌めく瞳と淡い薄桃色に輝く瞳が交錯し、そして。薄桃色が苦し気に微笑んだ。 「璃理ちゃんが来てね、お父さんは思い付いちゃったみたい。他の人達の意識が璃理ちゃんに集中している内に、なんとか絶対正義と接触してパイプを作れないか……って。きっと、極致正義内で得られる権力だけじゃ、満足出来なくなっちゃったんだろうね」  言葉を切るとあいはもう一度笑みを作った。告白を受け止めた璃理は、悲痛に顔を歪める。 「あいちゃん。その……」 「謝らないで」  先程までの弱々しい声とは違い、芯の通った声がはっきりと璃理を止める。 「……私はね、璃理ちゃんを受け入れるフリをして、ずっと恨んでたと思うの」  まるで懺悔のように、あいは静かな声でゆっくりと過去を語る。 「信用したって、言葉で言わなくても態度で嘘吐いて。騙してたの。だから、発信器だって何の苦もなく仕込むことが出来た」  ――発信器って、黒埼が逃げた時のだよな……。  自嘲に歪む瞳を見て、葉月はそっとあいの語る過去を想起した。
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