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そう言っておじいちゃんが取り出したのは、新品ピカピカのサッカーボール。 僕が欲しいと思っていたニューモデルだ。 「うわっ、それ欲しかったやつだ!もらっていいの!?」 「おぉ。幸人のために買ってやったんだからな。幸人、嬉しいか?」 「うん!ありがとう!ねぇお母さん、さっそく使ってきていい?」 「晩御飯までには戻りなさいよ。道路に飛び出しちゃダメだからね」 「はーい!」 ゲームができないのは最悪だけど、これでしばらくの間は時間が潰せそうだ。 新品ピカピカのサッカーボールのニオイを片手に、靴をつっかけて表に出る。 生活の不便さと引き換えに、おじいちゃんの家は田舎ならではの広大な敷地面積。 サッカーボールぽこぽこするくらいなら、道路になんて出て行かなくてもできちゃうのだ。
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