王道と平凡

3/40
前へ
/61ページ
次へ
ッ、 咄嗟に耳を塞いだが強力すぎるその声にはあまり意味がなかった。 クソッ、そんなに声高いんなら合唱団にでも入っとけ! 「五月蝿い、黙れ、席につけ」 ホスト教師の妙に色気のある声と流れのような言葉に、クラスはシーンと静かになり、さっきまで喜声を発してたやつらも、顔を赤く染めながらも席についた。 「あ~、もう分かると思うが、俺がこのクラスの担任する、三条、だ。新しい友人も出来て話したいこともあるかもしれんが、これから入学式のために第一体育館にすぐ移動する。廊下に適当に並んどけ」 おいおい、適当て… しかも、マジに王道なんだな。茶髪に耳にピアス、服も前開けすぎてるし、大丈夫かよ。 けど、何で名前言わなかったんだ? 言い淀んでたような… …あれだ、気にしたらヤバイやつだな、やめとこ。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

259人が本棚に入れています
本棚に追加