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アシュリーの家にて。
「アシュリー!どうして魔法を使ったの!?」
「………。」
「アシュリーは…。」
レッドが何かを言おうとしたが、アシュリーは手をレッドの顔の前に向け、話さないよう示唆(しさ)した。
「もう学校には行けないわ…。」
アシュリーの母は考える。
「なら…とことん魔法を鍛えましょう。アシュリー。あなたはしばらく一人暮らしをしてもらうわ。そこで魔法の勉強をしなさい。」
「………わかった…。」
「場所は遠い場所…ここから一日二日じゃ戻れない場所を自分で探しなさい。」
「…うん…。」
ーーーーー
数日後。
アシュリーの家の前にアシュリーとアシュリーの母、アシュリーの父が。
アシュリーは色んな物が詰まったリュックサックを背負っている。
母が言う。
「アシュリー…こんな時、何て言ったらいいか分からないけど………たまには、帰って来てね。」
そして父が言う。
「いや、帰って来るな。」
「お父さん…。」
母が言った。
「次、俺の目の前にお前がいる時は…立派な魔法使いになってからだ。」
「…そうね。寂しくなるけど…頑張ってちょうだい。」
「………。」
アシュリーは何も言わず、振り向いた。
右手を横に。
レッドがジャンプしてホウキに変わった。
アシュリーはホウキにまたぐ。
そしてホウキは浮き、進んだ。
500メートルくらい進んで、アシュリーは後ろを見る。
遠くに見える、自分が住んでいた家。
家の前でアシュリーの母と父はアシュリーをまだ見ていた。
アシュリーは前を向き、どこかへ進む。
ーーーーー
ダイヤモンドシティにて。
アシュリーは着地し、ホウキから降りる。
ホウキはレッドに戻る。
「ふー。おつかれさーん。」
レッドは言った。
「…で、ここはどこだい?」
「…知らない…。」
「…そやね。で、ここを修行の地にするんかい?」
「…うん。」
「…周りに墓とかあるし、木が枯れてるけど…。」
「…いいじゃん。」
「…そう…わてはあまり気にいらな…。」
アシュリーがレッドを睨む。
「いえ、別にっ。」
アシュリーはリュックサックから家の模型を取り出す。
そして墓も木もない、広い場所に置いた。
「…ロッドに。」
「おし。」
レッドはロッドになった。
アシュリーはロッドを持ち、家の模型に向ける。
髪色が白くなり、目が赤く染まる。
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