プロローグ

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まぁ10世界もあるわけだし、似ている世界もきっとあるだろうから違う可能性もあるが、第7世界であろうと別の世界であろうとも俺には世界を渡る手段がない以上どうしようもないし、何よりもこの世界で生きていける以上帰る必要性もないのである。 向こうの世界にいる両親や友人のことは気になるが、もし仮に前の世界が第7世界でさらにそこに帰るための時空魔法を使えたとしても、どこの時間軸にいくかも分からない時空魔法を使ってまで行く気にはなれないのである。 元の世界に戻ったのはいいが、原始時代とかだったら笑えない。元の世界に安全に帰る方法が見つかればそれで帰ればいいのである。 まぁそんなものは建前で一番の理由はこの新しい世界の隅々を見て回りたいってことだったりする。 どこまで行っても俺は心の瑞から旅好きなようだ。 話が脱線したが洞窟で名もなき爺さんに拾われた俺。こういうのは美少女に拾われるのがテンプレってやつじゃないかと思ったりもしたが文句も言えるはずがなく渋々爺さんについていった。 後から分かったことだがこの爺さん実はなかなかに凄い人で何でも、魔法学園の校長も務めてる爺さんらしく、その世界では有名な爺さんだったそうな。 で、そんな爺さんに拾われた俺はその爺さんが校長を務める学園に入ることになった。その学園には爺さんが俺のように拾ってきた孤児達も結構通っており、孤児院と学校が一緒になった感じだと思ってもらったらいい。 魔法学園だけあって魔法とかいうとんでもファンタジーなものを学ぶこともあったのだが、どうやら嬉しいことにこの世界にきたためか、もしくは何か俺の体に天変地異がおこったのか分からないが、俺にも魔力があることが分かった。しかも結構な量。 それがわかった時はむちゃくちゃ喜んだ覚えがある。だって魔法だぜ。誰でも一回は夢見たことがあるだろ?火の玉をだしたり雷だしたりできるんだぜ。 しかし! 人生はそう甘くはなかった。 俺には魔法の才能がなかった。 全く使えない訳ではないが、火、雷、風、土、水の五大属性魔法がほぼ使えない。Level 0ならどうにかなるがそれ以上は無理だ。 火属性ならマッチの火程度、雷なら静電気が起こるくらい、風はそよ風、しかも後半の二つに限っては発動しないという体たらくぶり……
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