プロローグ

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魔法を学べば、3歳児でも五大属性のLevel 1の魔法くらいは一年たてば使えるようになるのに。俺は学園にいた10年間でも全く使えるようにならなかった。学園卒業の時には学園中に三流魔術師という呼び名が定着していたくらいだしな。 まぁそんな俺でも二つだけLevel 0以上の魔法が使える属性がある。 それは光と闇だ。詠唱も長く、しかも消費魔力に対し威力が割りに合わないからあまり使われない属性だがどうにか俺でも使える属性だった。 まぁとは言っても人並み以下だが…… まぁそんなこんなで学園を卒業した俺はしばらくこの世界を放浪としてた。 魔物を狩ったり、ギルドで依頼を受けたりして路銀を稼ぎながら色々なところ点々と。 幸いにLevel 1の魔物狩るだけでもどうにか生きていけるだけの路銀は稼げた。Level 2の魔物は集団でこなければどうにか倒せるくらいの弱い三流魔術師の俺でも生き抜くことができたのである。前の世界で旅するに当たっての一番の心配だった路銀心配がないのは嬉しい。ベトナムとかフィリピンとかなら円が高いから良かったがヨーロッパはダメだ。あれはぼったくりだろ……ドイツのビール祭りでの会計とか思い出したくもない……。 異世界でも根無し草だった俺だがどうにか仕事を見つけることに成功した。その職とはずばり、“手紙屋”。 まぁ要は、そっちの世界でいう郵便配達員みたいなもんだ。ただ、第7世界と違うのは町と町ととの距離が異様に遠いことと、魔物が出てきて危ないくらいだ。 手紙屋になった理由としては町や村に入るのが簡単だからという結構軽い理由だったりする。
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