プロローグ

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この第8世界は少しややこしく、町や村に入るにも第7世界でいう入国審査並みのややこしい審査を受けなければいけない。素生がはっきりしてないと入るだけで数日を要する場所もあるくらいだ。 しかし! 手紙屋はちがう! 依頼人のサインと職業カードさえ見せればややこしい審査なしで町や村に入れてしまうのである。 後は、異世界だし、色々な場所を回りたいけど何処を回ればいいか決まらない! そうだ手紙屋として訪れた町や村を観光しよう! とかいう理由もあったりなかったりする。 依頼料は他の職業と比べて全くと言っていいほど低いがさしずめ、金があったところで使い道があまりない俺にとっては生きていくだけの必要最低限のお金さえ貰えればいいのである。 さて、そんな事を話しているうちに今回の届け先の村が見えてくる。依頼人から聞いた話では村の中央にデッカい桜の木がある村で数年前までは旅人がよく訪れていたそうだ。 しかし、数年前を皮切りに桜は咲かなくなり、それに伴い旅人も減り結果、寂れた村に戻ったそうな。 結構、距離があるここからでも分かる。大きい大木が見える。たぶんあそこだろう。 さてさて、今回はどんな村なのか……。 少し、ワクワクしてくる。 さっきよりも気持ち力強く村への足取りを進めることにした。
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