2つの破片

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「……嗣音、嗣音…見てよキレイだろ?」 赤い線だらけの白い腕に赤い雫を垂らしながら俺の名を呼ぶ片割れ 「そうだね玲音。気がすんだならもう消毒するよ」 自分から流れ出た液体をうっとりしながら見ているが構わずティッシュで拭き取る。 もうちょっと見たかったのか握っていたカッターの刃をガジガジと噛んでいる。 「危ないだろう? かんじゃだめ。」 そういってカッターを取る。 そして玲音は拗ねる。 そんな毎日。
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