むかし、むかし、あったとさ

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「お爺さん、お爺さん、お爺さんの土地はどのくらいあるの?私を是非、お爺さんの養子にして下さい。そうすれば、いつまでもお爺さんと一緒にいられます」 そう言って、大小のアタッシュケースを出しました。 「お爺さんにはこの小さなアタッシュケースを差し上げます」 そう言ってニューハーフがそのアタッシュケースを開けると、養子縁組の申請書が入っておりました。そこにお婆さんが乗り込んで来ました。 ニューハーフは、 「お婆さん、お婆さん、お婆さんにはこの大きなアタッシュケースを差し上げます」そう言うと、二人の若い衆が出てきて、お婆さんをアタッシュケースに入れました。 ニューハーフが言いました。 「あたしは下を切られたけど、どうせ、切除するつもりだったから手間が省けたわ。お婆さんさよなら。あたしがお爺さんを幸せにしてあげるわ」 それから、お婆さんは行方不明になり、まもなく、お爺さんも亡くなりました。ニューハーフはお爺さんの遺産で幾つもお店を持ち、幸せに暮らしましたとさ。おしまい
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