むかし、むかし、あったとさ

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新説ヘンゼルとグレーテル 兄のヘンゼルと妹のグレーテルはキャバレーのホステスをしている母親と三人で、新大久保の四畳半一間のアパートに暮らしておりました。やがて、お母さんは若い男と良い仲になり、二人の兄妹が邪魔になりました。お母さんは、二人を浅草橋に連れて行くと、 「お母さんはお昼ご飯を作るから、二人は薪を拾って来ておくれ!」 そう命じました。しかし、二人がいくら探しても、浅草橋に薪は落ちてません。母親の姿もありませんでした。 「グレーテル、俺達、あの母親にだまされたようだ!浅草橋に薪なんか落ちてるわけないもん。あいつ、あの若い男と一緒になりたいから、俺達を捨てたんだ!」 二人が泣きながら歩いていると、お菓子がたくさんある夢のような家がありました。二人は思わず、そのお菓子の家に入ると、お菓子をムシャムシャと食べ始めました。すると、そこへ一人の老婆がやって来ました。二人を見つけると、 「おまえ達、なんで勝手にお菓子を食べてるのかね!」
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