むかし、むかし、あったとさ

9/12
前へ
/12ページ
次へ
ヘンゼルが、 「すみません。お腹が減っていて我慢できませんでした。ところで、なんで、お婆さんはお菓子の家に住んでるんですか?」 そう尋ねると、お婆さんは、 「私んちは、代々、この浅草橋で菓子問屋をやっているのさ」 そう答えました。それから、お婆さんは二人を住まわせると、店員として、朝早くから夜遅くまで、ろくな食事も与えずに働かせました。やがて、二人の兄妹は成長して思春期を迎えると、近所の不良とつるんで悪いことばかりするようになりました。 「どうせ、俺達は親に捨てられたんだ!社会を恨んでやる!あの婆アに今までの恨みを晴らしてやる、!」 ヘンゼルはそう言うと、グレーテルと密談して、ある夜、お婆さんが寝ている間に、お婆さんの持っていた現金、証券、貴金属を盗むと店に火を放って、どこかへ消えてしまいました。こうして、お婆さんは焼け死んでしまいました。この後、二人は、悪びれることもなく、平然と悪事をやってのけるのでした。平然とぐれてる のでした。 おしまい
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加