1章 すべての始まり

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左手に握る気休めばかりの剣。 掌の汗で、今にでも落としてしまいそうだ。 もう一度しっかりと握りしめる。 そして、ごくりと生唾を飲み込むと、アリアスは剣を体の中心で構えた。 「・・・往生際の悪い。」 「悪いが、簡単に死ぬつもりはないんでね。」 アリアスは力いっぱい地面を蹴り上げ、男に切りかかる。 重い!! 実戦に向けて作られた剣でないため、ずしりと重いうえに振りぬきづらい。 いとも簡単に剣を弾きあげられるアリアス。 そして・・・。 暗殺者の手に握られた剣で一刺しにされた。 ゆっくりと崩れ落ちるアリアス。 急所を一撃で、だ。 じわじわと胸から熱い液体があふれ出てくる。 「がはっ・・・!」
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