1章 すべての始まり

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2 どさり、という音が部屋中に響いた。 ソファーに人間が勢いよく飛び込んだ音だ。 「ふぅ・・・。」 折原シュウは、ため息を大きくついてまどろんでいた。 シュウはどこにでもいるような平凡な高校生。 今年入学したばかりの16歳。 現在一人暮らしを絶賛満喫中である。 両親が仕事の都合で海外にいるため、家を空けているのだ。 シュウの家はマンションの一室なのだが、高校生一人が使うにしては明らかに広すぎる。 3LDKのマンションの一室で一人暮らし。 食事は基本コンビニで済ませる。 あとは何とでもなる。 「・・・あ。洗濯物取り込まないと。」 シュウは重い体をゆっくりと起こしてベランダに歩を進める。 外はずいぶんと暗くなっている。 時刻は午後の7時過ぎ。 「夕飯も買いに行かなくちゃ・・・。」
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