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ベランダに出ると、夏の夜風が吹き抜けていく。
一人分の洗濯物を手早く取り込むと、財布をポケットに突っ込みマンションを後にした。
マンションを出ると、目の前の大通りをなぞるように進んでいく。
いつも通る、慣れた道。
シュウは鼻歌交じりに、ポケットに手を入れて進む。
ほんの5,6分歩いたところで、交差点の角にひときわ明るく光を放つ建物が見えてくる。
目的地、コンビニ。
シュウはこのコンビニにいつも通い、夕飯を購入する。
自炊もやろうと思えばやれるのだが、すぐにコンビニに頼ってしまう。
こんな生活を続けるのはよくないとわかってはいるつもりなのだが、実行に移せない。
「・・・またコンビニに頼っちゃったな。」
シュウは購入した弁当をすっと持ち上げて、レジ袋に入ったそれをじっと見つめてため息をついた。
のそのそと帰路に就くと、シュウは再び鼻歌交じりに歩き出す。
本当に、何気ない日常なのだ。
帰り道、たくさんの人にすれ違う。
酔ったサラリーマンや、あまりいい匂いとは思わない香水を体に振り撒いた派手な女。
塾帰りの学生から、中年の男性と若すぎる女といった明らかに不釣り合いな組み合わせのカップルまで。
さまざまな人間の波を通り抜ける。
別段、おかしなことは何もない。
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