プロローグ

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世界のすべての元素を生み出し構成する聖なる存在、精霊。 精霊が生きるために必要な、雄大な自然を構築する元素。 精霊が元素を生み、元素は精霊を生かす。 そして精霊は、新たな元素を生み出し、自らの繁栄の糧にする。 その二つの均衡のもとに成り立つ世界、フロ・ル・リディア。 人々は、精霊が構成する自然の中で独自の文化を発達させ、繁栄していった。 精霊が生み出す自然を利用し、人々は新たな文化を生み出し、精霊が生きるために必要な、新たな元素を生み出す。 人々の生みだす元素を利用し、精霊たちもまた、自らの繁栄の糧にした。 この秩序により、フロ・ル・リディアは恒久の繁栄を全土にもたらした。 しかし、この繁栄も進みすぎる人間の文化の前で、終わりに向かいつつあった。 人間たちは精霊たちの生み出す元素を過度に消費し、急速に文化を発展させ、自然を破壊していった。 人間の生み出す元素によって生きる精霊、「魔精霊(ヴァーチェ)」。 彼らの急速な繁殖は、自然の精霊「聖精霊(シンシア)」の滅亡を意味していた。 自らの滅亡を危惧した聖精霊は、魔精霊及び人間の文化の減少を目的とし、自然災害による人間の産物の破壊を行った。
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