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アリアスは剣を掴み、しっかりと左手で握る。
ランプを右手に持ち、ゆっくりとドアに近づく。
ドアのすぐ傍に張り付きながらゆっくりとドアを開けていく。
ドアをほんの少し開けたところで外の様子をうかがうが、誰もいない。
護衛すらいないとなると、これは少しマズイ状況かもしれない。
アリアスはもう一度ベッドの位置まで戻ると、ランプを消して元に戻した。
すぐさま部屋は暗闇に包まれる。
暗闇に目が慣れるまで部屋の隅で小さくなる。
少しずつ部屋の中の輪郭があらわになってきたところでアリアスは立ち上がり、剣を握りなおす。
少し滑るような感触。
手汗がひどかった。
それだけこの状況に焦っているということだ。
誰の差し金か考えるまでもない。
思い当たる節が一人しかいない。
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