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目的はただ一つ。
グラナルド王国の国王であるアリアスの命だ。
アリアスの父、アルフォードの死後すぐに王位を継承したアリアスは、このようにたびたびと命を狙われるのだ。
この部屋にいるのは危険だ。
アリアスはもう一度ゆっくりとドアを開け、外の様子を確認したのち、外に出る。
すーっと音を立てずに廊下を進む。
最初の曲がり角。
壁に張り付き、曲がり角の奥の様子を確認する。
そこには巡回中の騎士が倒れていた。
アリアスはそばによると、騎士の耳元で小さく声をかける。
どうやら眠っているようだった。
体を揺らし、頬をはたいてみるが、全く起きる様子がない。
騎士をそのまま廊下に寝かせ、廊下を再び進んでいく。
まさか城内の騎士全員が寝かされているのだろうか。
手が込みすぎている。
アリアスは下唇をぎりっと噛みしめた。
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