3409年:ハイデ

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「ここがハイデだ。 暫らくテキトーに此処に滞在すっから」 町に着くなりそう言ったのは青い長髪に切れ長の目をした青年だ。 「暫く・・・って、どのくらい居るの?なんか用事でも?」 質問、というよりは詰問にに近い声音を発したのは赤い髪をもつ小柄な少女だ。 「何にも無けりゃ1月ぐらいは居れるんじゃねぇの? 短かけりゃ、今晩にでも発つことになるしな。 まあ、それはあんまし歓迎したいもんじゃねぇけど」 「大体、今更だけどこの旅の目的って何なのよ。 かれこれ一週間は同伴してるけど、まだ聞いてないわよね。 長く滞在したいってことは、誰かに追われてたりでもするの? まさかあなた達、犯罪者だったりはしないわよね? 一緒に行動してたら、私まで共犯だと思われたり・・・ ってちょっと!!なに笑ってんのよ?」 青年の言葉に、どのような想像をしたのか、赤くなったり青くなったりする少女を、元凶の青年は愉快そうにながめていた。
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