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「真偽の方は謎ですが・・・彼は私の曾祖父の知り合いだそうです」
えぇっ!?と驚くアリスに、セイルはさらに続ける。
「まあそういうわけで、思いがけず旧知の知り合い―――ジョーからすれば、娘のようなものです。
その方が、自分が到着するたった一週間前に亡くなっていたんです。
多分、かなりの衝撃だったのでしょう」
「でもっ、あいつはそんな素振り見せてなかったわ」
「ジョーは元々、感情を出さないようにするところがありますから。
それに余計、実際に母親を亡くしているあなたの前では表に出せなかったのでしょうね。
それでも、何時もはしない行動をとっていましたよ?
普段の彼なら、自分で色々見ずに宿を決めるなんてしません。
町の様子を観察するのが旅の楽しみと、常日頃から言っていますし。
アリスさんも一度くらい聞いたことがあるでしょう?」
問いかけるように首を傾げるセイルを見て、思い起こせば・・・確かに言っていた気がする。
「でも、会ったばっかりの私なんかどうして気にするのよ・・・
それに、3日で町を出るのとは関係無いでしょ?」
「言ったでしょう?アリスさんのお母様はジョーにとって娘みたいなものだって。
忘れ形見のあなたは、さしずめ孫と言ったところでしょうか。
ほら、着きましたよ」
2人はギルドへ入っていった。
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