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「この学園の卒業生じゃよ……随分問題児じゃった」
グランはため息をつくと顎髭を触った。
「そうか、シルヴィアは最近教官になったから知らないんだね。
ゼロが教官になったのは喜ばしい事だ……なんたって」
エルウィンは手をひらひら振りながらニヤリと笑うが、言葉を切り校庭を見た。
「……どうかしましたか?」
表情を変える事なくシルヴィアはエルウィンを見るが、同じく何かに気付いて学園に目を向ける。
「早速問題が起こったようじゃな……」
「みたいだねぇ……」
グランとエルウィンも学園の方が騒がしいことに気付くとため息をついて歩き出した。
学園の前の実戦グランドには多くの一年生達が集まっており、授業が開始されている時間にも関わらずざわざわと騒いでいる。
「何事じゃ?授業はもう始まっとるじゃろ」
「あ、グラン教官……」
集まった一年の女子生徒が近付いてきたグランを見て声を漏らした。
「それで?どうしたんじゃ?ゼロはまだ来ておらんのか?」
「信じられない!絶対サボっただけよ!」
「アリス落ち着いて、ね?」
ざわざわと騒いでいる生徒達の中でも一際ざわついているアリス達を見て、グランはゆっくりと近付いて行った。
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