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「どうした?何を騒いでおるんじゃ?」
「あ、グラン教官……」
「す、すいません……でもこんな書き置き残してゼロ先生がいないんです」
近付いてきたグランにアリスは怒りで握り潰したゼロが残したとされる紙を手渡した。
紙にはこう書かれていた。
『授業をしてほしかったら俺を見つけろ』
「……まったく確かに面倒くさいのが大半じゃろうが……お前達は探したのか?」
「……え?」
グランは手紙を見つめてため息をついた後、集まった一年生全員を見て意外な言葉を口にした。
グラン教官ならば直ぐにゼロを見つけて連れてきてくれると思っていたが、そんな様子はない。
「これは実戦授業じゃ、索敵魔法を使って探せと言われとるんじゃないか?」
微かに微笑みそれだけ言うとグランは歩いて行ってしまい、残された一年生達は集まり始める。
「索敵魔法って……こんな広い学園内無理だよ」
「だよね……まだ使った事あんまりないし」
生徒達はそれぞれ魔法を行使するも全く成果はあがらない。
「索敵魔法って自分の魔力を広範囲に広げるのよね、それで対象が引っかかったのを感じて場所を特定する……無理よ!」
アリスも懸命に試みるも学園全体となると無理があった。
全員がどうしようかと頭を悩ませていると、ティアが一歩前に進み出ると黒い剣を抜いた。
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