―最低な教官?

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     教室に戻った一年生達はゼロが中々来ない事でざわついていた。     「私教官変えてもらおうかな……」     「あんなの授業じゃないよ……」      先程の授業内容について文句を言っている生徒が大半だった。       「まあ、仕方ないよね……あんな授業じゃ」      周りの生徒達の声を聞きながらアリスが隣に座るティアに話しかけた。       「うん……でも、エルウィン教官は判断するには早いって言ってたよね」     「おお……全員揃ってるか?」      ティアがそこまで言葉を発すると教室の扉が開きゼロが入ってきた。       一年生達は会話を止めて微妙な雰囲気の中ゼロを見ている。     ゼロは気にする事もなく教壇前の椅子に座り机の上に足を乗せた。     「…………」      椅子に座りポケットから何やら取り出しているゼロを不満げに見つめている一年生達。     するとゼロは小型のディスクを取り出し見つめると口を開く。     「名前呼ぶから一人ずつ前に出て来い、アイレット」     「え?……あ、はい」      ゼロから名前を呼ばれた一年生の女子は席を立つとゼロの所へと歩いて行く。       「ほら」     「………え?」     「お前達にやらせた訓練はレベル1、今日の授業のお前の悪い点に癖、とりあえずディスクにまとめてあるからクリア出来るように自分なりに改善してみろ」      そう言ってゼロは女子生徒にディスクを手渡し、受け取った女子生徒はしばらくゼロとディスクの両方を見つめていた。
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