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エレベーターの扉が開くと真っ直ぐ通路が伸びており、奥に見える一つの扉にゼロは歩いて行く。
扉の前に立つと自動で扉が開き、ゼロは目を細めた。
「久しぶりじゃのゼロ、また会えて嬉しいぞ」
「まずはその手に持った羊羹を置け」
広い部屋の中央に置かれた立派な机には巨大な羊羹が置かれており、それを口に入れてもぐもぐと食べている老人。
黒のトンガリ帽子を被った白い顎髭が印象的な小柄な老人はシド=ルイゼンバーン。
魔法管理局の局長をしている。
つぶらな瞳をキリッとした瞳に変えるがもう遅い、威厳も何もあったもんじゃない。
ゼロはため息をつくとソファーに座り、煙草に火をつけた。
そんなゼロをシドは微笑みながら見つめて立ち上がるとゼロの前に座り、一枚の紙を机に置いた。
「特殊部隊『A'S』のメンバー人選は任せるぞ」
「ああ……」
「……アリスもやはりメンバーに入れるのか?」
紙を見つめて目を細めたゼロを見て、シドが問いかけるとゼロはゆっくりと立ち上がった。
「魔道具も持ってる、実力もある。
もう外の世界に足を踏み出していい歳だ……その為に俺を呼んだんだろ?」
紙を手に取り歩き出したゼロ、そのゼロの後ろ姿に向かってシドは言葉をかける。
「『白銀』、外は何があるか分からん……アリスや生徒達をよろしく頼むぞ」
「心配すんな、俺が誰にも負けなければ済む話しだからな」
それだけ言い残すとゼロは部屋を出て行ってしまった。
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