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一夜明け、一年の教室は一つの話題で盛り上がっていた。
「昨日ゼロ教官にもらったディスク見た?」
「細かく悪い癖とか修正した方がいい動きとかデータに記していてくれたよね?私達の為にわざわざやってくれたなんて感動したよ」
ゼロから貰ったディスクについて話しをしている一年生達、そんな会話を聞いていたアリスは複雑な表情を浮かべている。
認めたくはないが、ゼロから渡されたディスクには細かく自分に何が足りないかなどが記されていた。
参考になった。訓練をきちんと見ててくれており、短時間でクラス全員に同じようにディスクを配っていた事から本当に凄い教官なのは明らかだった。
しかし……。
「何で……また来てないのよ!!」
授業が始まってもまた姿を見せないゼロにアリスは叫んだ。
わなわなと震えているアリスだが、他の生徒達は近寄って来ると笑顔でアリスをなだめる。
「アリスちゃん落ち着いて、索敵魔法で探してみよう」
「とりあえず私達の自力で探してみて、無理そうだったらティアちゃんお願いね?」
「うん、分かった」
クラスメイト達から頼まれたティアは頷き、生徒達は索敵魔法でゼロを探し始めた。
一日経って、生徒達のゼロへの態度が全く変わってしまっていた。
怒る事なくゼロを探し始めたクラスメイト達を見て、アリスも渋々ゼロを探す事にした。
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