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「先生……授業お願いします」
「………ティアか」
風でなびくスカートと髪を押さえて見つめてくるティア。
ゼロがため息をついて立ち上がると、ティアは少し顔を伏せた。
「ごめんなさい……皆頑張ったんですけど、時間がなくなるので私が」
「ご苦労さん、お前がいたら授業サボれないな……たまには見つけなくていいからな」
立ち上がるとティアの頭を撫でて歩き出すゼロ。
ため息をつかれて自分が来ては駄目だったのかな?と思い少し表情を暗くしたティアであったが、そんなティアを見てため息をついた理由を勝手に話し始めた。
「…………」
撫でられた頭を押さえて少し頬を赤くさせてボーっとしているティア。
「ん?どうした、さっさと行くぞ」
「あ、はい」
ティアの様子に全く気付いていないゼロが振り返りティアを見ると、我に返ったティアはゼロを追って走りだした。
ゼロがティアと共にグランドに戻ると、一年生達は整列するとゼロを見た。
「ん?何だお前等気持ち悪いな……もっと楽にしろ」
昨日とは打って変わって、文句も言わずに綺麗に整列している生徒達。
ゼロの言葉を聞いても姿勢を正している生徒達を見て、ゼロはため息をついてアリスを見た。
「こいつを見習え、むちゃくちゃ不機嫌そうに睨んできてるだろうが」
「う、うるさいわね……睨んでないわよ。索敵魔法で見つけられなかったのが悔しいだけ」
他の生徒同様、今日はゼロを真剣に探してみたが無理だった。
こんな事では魔法管理局の特殊部隊に選んでもらえない。
アリスは唇を噛みしめると下を向いた。
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