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イルファと呼ばれた女子生徒はアリスと同様未だに訓練をクリア出来ていない子であった。
ゼロから呼ばれて何か話すイルファをアリスとティアは遠くから眺めていた。
何度かゼロは言葉を発すると歩いて行ってしまい、姿が見えなくなるとイルファが手で顔を覆って下を向いた。
「ちょっと……大丈夫?」
慌てて駆け寄るアリスにティア、近付くとイルファは泣いていた。
それを見たアリスは瞳を鋭くさせると顔を上げた。
「女の子泣かせるなんて最低!文句言ってくる!」
「アリス、私も行く。先生……そんな人じゃないと思ってたんだけど」
アリスの言葉を聞いてティアも顔を上げて歩き出そうとした時、泣いていたイルファが二人を呼び止める。
「ま、待って!アリスちゃんにティアちゃん!違うの、先生悪くないの……ただ嬉しくて」
呼び止められイルファの言葉を聞き、アリスとティアは顔を見合わせる。
「どういう事?何て言われたの?」
アリスがイルファに聞くと、イルファは涙を拭って微笑みながら話し始めた。
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