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「そうだったんだ」
「うん、先生良く見ていてくれて嬉しかったの」
イルファの話しを聞いてティアは優しく微笑むが、アリスを見て言葉を失った。
「……そっか、何でもないなら良かった」
「アリス……」
笑顔を浮かべるイルファにそう言うと歩き出したアリス、ティアが言葉失ったのはアリスが今にも泣きそうな顔をして歩き出したからだ。
「何よ……私も頑張ってるのに、やっぱり私の事嫌いなんだ…」
「アリス……待って!」
自分には何の言葉もない、それを考えると泣きそうになってしまった。
あんな教官から優しい言葉をかけてもらいたい訳じゃない、でも……魔法管理局のメンバーに選ばれるにはゼロのアドバイスが必要だった。
教室に戻るといつも通りゼロがディスクを配っており、アリスの名前が呼ばれた。
「ほら」
「…………」
暗い表情のままディスクを受け取るアリスを見て首を傾げるゼロ。
「ん?どうかしたか?」
「…………何でもない」
ディスクを受け取り帰ろうとするアリス、そんなアリスの後ろ姿にゼロが声をかける。
「アリス、お前の魔道具は何だ?属性は何だ?何の為に細い剣の魔道具を使ってる?それを良く考えてみろ」
「っ!大きなお世話よ!」
アドバイスが欲しいという自分の考えが見透かされたようで顔を赤くさせるアリス、ゼロに向かって怒鳴ると足早に教室を出て行った。
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