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「あ、あの!先生!私やっぱり辞退させて」
「えっと、あとはアリス=クレメンティス。
今回はこの二名を選んだ」
ティアが辞退しようと手を上げた時、ゼロが意外な言葉を口にした。
「……え?どうして…」
アリスが顔を上げてゼロを見ると、一人の男子生徒が前に出てきた。
「納得出来ないな!ティア君なら納得出来るが、アリス君は一度も訓練をクリア出来ていない。
先生は可愛い生徒だけを集めようとしてるんですか?」
小柄で緑髪の男子生徒。彼の名前はウィリアム、貴族のボンボンで背が低いくせに無駄にプライドが高い。
「おぉ、レベル2をクリア出来ないウィリアム君か。
納得出来ないも何も実力あるから選んだだけだが?」
「うるさい!実力がある?レベル1もクリア出来ていないのに?笑わせるなよ!」
「そうよ……レベル1もクリア出来ないのに何で」
ゼロの言葉にウィリアムは腹を立てて声を荒げた。
アリスもウィリアムの言葉に同意して口を開くと、ゼロは首を傾げた。
「レベル1?お前等何言ってんだ?こいつはティアと同じレベル4だぞ?」
「……え?だって私最初のレベル1クリア出来てないし」
とんでもない事を言い始めたゼロ、アリスは混乱したように呟くとゼロは続ける。
「レベル1は最初だけだ、お前放課後一人で自主練してんだろ?
魔道具も持ってんのにレベル上げてるに決まってんだろ」
「えっ……あ、あの…何でそんな事…じゃあ何でイルファちゃんにだけ」
アリスの顔が一気に赤くなった、ちゃんと見ててくれた事が嬉しかった。
恥ずかしさと混乱で思わず本音が出てしまった。
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