8969人が本棚に入れています
本棚に追加
/595ページ
「ん?何だお前……俺に心配して欲しかったのか?」
「ち、違……」
もう耳まで真っ赤になってしまったアリス、上手く言葉が出てきていない。
そんな事など気にしていないゼロはティアを見ると口を開く。
「何だお前、ティアと飯か何かを賭にして勝負してたんじゃないのか?
肩をポンと叩かれてたろう、あれって『まだまだね』とか言われてたんだろ?
だからそんなに頑張ってたんだと思って止めなかったんだが……」
「馬鹿じゃないの!?違うわよ!励ましてくれてたのよ!」
「私、凄く嫌な子に見えてたんですね……」
アリスは顔を真っ赤にさせたまま怒鳴り、ティアは少し落ち込んでいる。
「まあいいや……二人共俺の部下として魔法管理局の仕事を手伝ってもらうが異論あるか?」
「な、ないわよ……よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
実感すると嬉しくなった。
アリスとティアの二人は同時に頭を下げると、他の生徒達が駆け寄ってきた。
「おめでとうアリスちゃんにティアちゃん!」
「アリスちゃんレベル4の訓練やってたんだね!」
皆から祝福されて笑顔になるアリスにティア、そんな二人を見てゼロは微かに笑みを浮かべると歩き出した。
「二人共、放課後は残ってろ。魔法管理局に連れてくからな」
それだけ言うとゼロは歩いて行ってしまい、二人は笑顔でゼロの言葉に頷いた。
最初のコメントを投稿しよう!