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二人がソファーに座るとリースレットは紅茶を二つ、二人の前に置いた。
「ふふ、これから色々と任務をこなしてもらう訳だけどゼロから絶対離れたら駄目よ?
危なくなったらゼロを前に押し出して逃げなさい」
「え……」
「そ、それは……」
リースレットは笑顔でとんでもない事を言い出し、アリスとティアは言葉に詰まりチラリとゼロを見た。
「馬鹿か、まず逃げるような状況になるかよ」
「ふふ、そうね」
「凄い自信ね……」
「リースレット総司令も認めてるんだね」
逃げるような状況にならないと断言するゼロに笑って応えるリースレット、二人の会話を聞いてアリスとティアはひそひそと話している。
するとゼロの目付きが突如変わり、リースレットを見た。
「で?今日呼んだのは顔合わせだけじゃないんだろ?」
「ええ、最近この街に入り込んできた魔女を知ってる?」
ゼロの言葉を聞くとリースレットは胸元から一枚の写真を取り出し、机の上に置いた。
「名前はセイレス=ザークベルグ、既に数十人もの一般人が殺されてるわ。
最初の任務はこの魔女の討伐よ」
写真には目付きの悪い全身黒のローブに身を包んだ女性が写っていた。
「魔女……」
「…………」
アリスは不安げな表情であったが、ティアが一瞬表情を曇らせたのをゼロは横目で見つめていた。
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