―赤眼の魔女

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     それから魔女討伐の話しは終わってしまい、他愛の話しをしていた。     「リースレット総司令はお父さんとお母さんの事を知ってるんですね?」     「ええ、ナグマとエリシアの二人とは事故で亡くなるまで一緒に働いてたから」      リースレットから両親の事を聞いているアリスに、そんな二人の会話を聞いているティア。     そんな会話を聞いていたゼロは時計を見ると、ゆっくり口を開く。       「お前達、今日はそろそろ帰れ。 明日は朝から魔法祭だろう、ゆっくり休め」     「う、うん……分かりました」     「はい、お気遣いありがとうございます」      明日はアートフォン学園の生徒達も自ら店などを出したり、街もお祭り一色となる魔法祭である。     朝早くから準備がある為ゼロが二人に帰る様に言うと、アリスは素直に頷きティアは微笑みながら頭を下げた。       「では失礼します」     「お先に失礼します」     「ええ、また明日ね」      アリスとティアの二人をリースレットは笑顔で見送り、出て行くと同時にゼロを見た。     「良い子達ね?」     「そうだな……それより報告書をくれるか?」     「えっ?何かやった訳でもないのに?」      突然のゼロの申し出に首を傾げるリースレット、報告書の束を手渡すとゼロは立ち上がった。       「……明日は何もないといいがな」      立ち上がりゼロは目を細め窓から街を見渡すとボソリと呟いた。
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