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―――『グランセイル』街の郊外、黒のローブに身を包んだ一人の女性が歩いていた。
「あーあ……どの民家からもワイワイガヤガヤ、幸せに溢れてて吐きそうだわ」
口元を歪めると携帯を取り出し耳に当てる。
「はあーい!アメリア様!着いたわよ」
「ご苦労様セイレス、作戦決行は明日……分かってるわね?」
電話越しのアメリアと呼ばれた女性が言葉を発すると、再び黒いローブの女は再び口元を怪しく歪める。
「『真紅の宝玉』本当に存在してるなんてね……他は殺していいんでしょ?」
「報告が上がってきているから確定情報よ、後はあなたの好きになさい」
そこで電話は切れ、セイレスは黒のローブに手をかけると顔が露わになった。
「あー!楽しみ!生徒も殺そ!!教官も殺そ!!あはははは!浮かれた馬鹿学生共を皆殺しにしよ!」
「何だようるせーな!何時だと思ってんだ!」
声を聞いて家の扉を開くと、男性が怒鳴りつけた。
「はぁ?」
「ひっ……ぎゃあああああ!!」
セイレスは笑いながら振り返り、手を前にかざすと男性が悲鳴を上げた。
それと同時に街の一角が爆発して、一帯が炎に包まれるという事態が起こった。
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