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それから数十分後、ようやく解放されたのかゼロが歩いてきたのを見てアリスとティアは駆け寄って行く。
「何だお前等、まだいたのか」
「大丈夫ですか?先生」
「…………」
不安気な様子で見上げてくるティアに、暗い表情で黙り込んだアリス。
そんな二人を見てゼロはため息をついた。
「お前等は気にすんな、子供が亡くなったんだ誰かに怒りをぶつけたいのは当然だ。
俺の見回りが足りなかったのも確かだしな」
「そんな事ないわよ!!」
ゼロがそこまで言うと、アリスが突如怒鳴った。
「ん?どうした?俺の為に怒ってくれてんのか?お前らしくないな」
「茶化さないでよ……先生がいてくれて本当に安心したんだもん」
泣きそうな表情でスカートを掴み俯くアリス、ゼロは微かに笑みを浮かべるとアリスとティアの頭を優しく撫でて歩き出した。
「これも教師の仕事だ、とにかくお前等は気にするな。
もう魔法祭も中止になっちまったし学園内でゆっくりしてろ」
それだけ言い残してゼロは去ってしまい、アリスとティアは顔を見合わせると一緒に学園内へと向かって歩き出した。
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