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直紀が部屋で寛いでいる時。
突然ドアがノックされた。
ご主人様の帝は今日、家の用事で不在中である。
人の訪問を居留守するタイプの人ではない直紀は、ドアを開けた。
「やっほー直紀!遊び来ちゃったてへっ」
「ボクもいるよー!」
躊躇いもなく部屋に入れる。
帝の部屋に入れなければ、大丈夫だろうと。
幸い、今日は居ないのだから騒いでも迷惑はかけない。
皐月たちは、それを知っていたから押し掛けたのだが。
ガサガサとやたら大きい袋を持って来た二人は、部屋に入ったと途端に直紀の肩を掴む。
「ふっふーん!今日は愉しいことをしようとな、華也と持ってきたんだぜ」
「とってもイイモノだよ」
「「じゃーん!」」
二人がその大きい袋から取り出したものを見て、直紀は絶句した。
取り出したもの。
それは、
「ナオの女装した姿みたいなー!」
女の子の服。
「嫌だよ」
「えーなんでよーボクもするから!ね?」
「ちょっと着るだけでいいからさ!お礼は食堂のデラックスパフェでどうだ!」
少し悩む素振りを見せる直紀。
決断してくれない直紀を見て、今度は華也が出る。
「そこプラスにケーキにフルーツ盛りもつけちゃうよ!」
甘党な直紀にとっては、嬉しい誘惑だ。
渋りながらも、その誘惑には勝てなかったのかゆっくりと頷く。
「ちょっとだけなら…」
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